厳選された素材を使う事。
又それが年月が経つにつれいい歳のとり方をするものである事。
仕上がりの良し悪しを決めるのは細部の美しさにある。
造園資材の場合はその素材の素の状態が仕上がりとなる事が多い。
それゆえ慎重に、念入りに素材を選ぶという事は
丁寧に造形を一つずつ仕上げていくことと同じ役割を持っている。
素材の個性や特徴を十分に理解し、
無理のない理にかなった使い方を心がける。
山の景にはまだ土の匂いの残る山の石が、
川の景には、転石となり角みのとれた川の石がやはり似つかわしい。
出どころ、個性や特徴など十分に素材を知り素材に無理をさせず、
理にかなった使い方を心がけている。
特に樹木については、デザインに合わせ高さ、葉張り、樹姿等
様々な観点から適材を選びだしている。
樹を選ぶ時は靴を履き替えて畑の中を歩き回る。
あっちに行ったりこっちに来たり。
幹をやさしく握ると少し冷えたその感触はぎゅっと内部につまる樹の生命を感じる。
葉にやさしく触れる時にはひとり言のように言葉をかけ、愛着をもって選ぶ。
樹木や草花を十分に取り入れた緑の豊かな設計を心がけている。
野草を活かし、どこか日本の原風景を思い起こさせるような景色創りにこだわっている。
草花については、古くから名の通った植物を好んで選び、
中にはワスレナグサやフジバカマ等の万葉植物(万葉集で詠まれた植物)が使われる事も多い。
機能的であり、修理修繕が無理なく使いこなせるデザインを心がけている。
そして修理や修繕が可能であり、
永きにわたって利用する事の出来る設計である事。